2020年4月28日、吉本興業とUUUMの資本業務提携が発表されました。
このニュースを聞いて、「なんだかすごいことが起こりそうだ」と感じながらも、「一体何が変わったの?」という部分が明確にわからない方も多いと思います。
目次
そもそも「資本業務提携」って何?
資本業務提携とは、「資本提携」「業務提携」の2つが合わさった言葉です。
資本提携とは、提携先の企業に対し資金を注入する事を指し、
業務提携とは、提携先の企業と業務上の議決権などを共有する事を指しています。
つまり一言で言えば、「UUUMと吉本興業の資本面が合わさってより強大な企画が放てるようになり、クリエイターの未来についてエンタメの最前線を走る2社が合同で会議などを行なっていける」という事です。
これにより、しもふりチューブさんやガーリィレコードさんなどの吉本興業に所属するタレントのYouTubeチャンネルは、UUUM所属のチャンネルとして運用されていくことになります。

吉本興業とUUUMが合わさると何が起こるのか
それではここから、未来予想をしていきましょう。
まず第一に変わることは、「芸人とYouTuberのコラボが増える」ということです。これは明言されており、確実に起こることです。
その第一弾として、カジサックさんとHIKAKINさんのコラボ動画が投稿されています。
【夢叶う】ヒカキンさんと緊急会談した結果子供たちが…
芸人とYouTuberの「埋まらない溝」に架け橋が
クリエイター同士のコラボレーションが行われること自体は、自然な流れで今までも繰り返されてきました。
しかしながら一方で、「芸人」「YouTuber」の垣根が埋まらないなどの見方は社会的にも両者に溝を生んでいました。
「YouTuberと芸人は、レベルが違うんだ」と取り沙汰される事も多く、お互いが意固地になっているような構図が客観視されていました。
しかしながらこの資本業務提携により、「芸人とYouTuberがタッグを組んでエンタメを作っていく」という構図が社会の見方をガラリと変えました。
吉本芸人のトークと、UUUM所属YouTuberのアンテナがエンタメに化学反応を起こす
このタッグによって、互いの強みを活かせるような環境が整いました。
芸人のトーク力にはYouTuberとは一線を画していますが、同様にYouTuber達の「目線」は芸人には到達できないレベルまでアンテナを張っています。
「インターネットでバズるネタのプロ」であるYouTuberと、「トークで人を笑わせるプロ」である芸人との共演は、YouTubeというエンターテイメントを大きく刷新していくことは間違いありません。
世代交代ではなく、「世代融合」
世間では、「今はYouTuberの時代」などと、テレビからの世代交代を感じている人々のコメントや空気感が流れていました。
事実、電通が公開している2019年度のインターネット広告費は2兆1,048億円、テレビメディア広告費の1兆8,612億円を超えている「歴史的な転換点」が訪れました。
この調査結果によって、名実共に「インターネットこそ今の広告媒体」という事実が確定しました。
この事実によって、「テレビからインターネットへの世代交代」が行われ、タレントとYouTubeクリエイターの序列が逆転した、と認知が広まりました。
しかしながら今回の資本業務提携によって、「世代交代」ではなく、「世代融合」、つまりはこれまでトップメディアであったテレビに出演していた芸人が、新たにインターネットの世界に融合する世代融合が行われているのです。
YouTuberは終わらない、むしろ始まる
この提携に対して、クリエイターからは「YouTuber終わったな」などの反響が多くアップロードされていました。
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しかしながら、そもそも一般のクリエイターがYouTubeでテレビを差し置いてヒットしたのは、そのありふれた日常感が多くの人の共感を掴み取ったから、という歴史は間違いありません。
どれだけYouTubeのコンテンツクオリティがアップデートされようが、ありふれた日常を映し出すクリエイターの存在価値は、まだまだ継続していくでしょう。
実際に、現在もまだ急上昇を日常のワンシーンの動画が獲得するなど、人々の関心はYouTube創成期の当初からエッセンスとしては変わっていません。
YouTubeの「テレビ化」はさらに加速する
これにより、「チーム」という単位で動画を作ることができる吉本興業の芸人軍団が組織としてYouTube動画のクオリティを上げてくることは間違い無いでしょう。
しゃべくり007や水曜日のダウンタウン、リンカーンなどの「伝説の番組」がYouTubeに誕生する日も、そう遠く無いのかもしれませんね。
その先には、カジサックさんが夢として掲げている「芸能とインフルエンサーの架け橋」というテーマが実現する世界が待っていることでしょう。