今では当たり前となった「YouTuber」という言葉は、もともと学生の間で流行りだした造語であり、瞬く間の広がりを見せました。
ところが、流行りの背景にある「なぜこんなにも流行りだしたのか」という部分については、明確に議論されている場を見たことがありません。
今回は改めて、YouTuberの流行りの源泉について考察してみたいと思います。
「お手軽さ」の連鎖に弱すぎる現代人

現代人は、スマートフォンの普及に伴ってどんどんと便利な時代を生きています。
Amazonやメルカリをはじめとしたネットショッピングでは欲しいものがリアルタイムで手に入り、UberEatesでは最寄りの駅の飲食店が食べたいご飯を運んでくれる。
そんな「便利」に囲まれた現代人はインターネットを通じた便利さに段々と支配されている現状があります。
同様にYouTubeもエンタメコンテンツとしてボタン一つで全てのものが手に入る、みたい映像、取り入れたい情報がすぐに手に入る環境にあり、「努力しなくても全てのものが手に入る」と勘違いしている人も少なくないでしょう。
この「お手軽さ」の連鎖に溺れているという状況を、現代人はまず理解することが必要なのです。
気軽に現実逃避ができる仕組み

テスト勉強、会社のプレゼン、部活での大事な試合・・・
数えきれない「プレッシャー」に直面した時、現代人がとる行動は残念ながら限られています。
一つは「目標に素直に向き合って、残された時間を計算しながら目標達成を意識したスケジューリング、手を動かすことを継続すること」。
しかしながら一方で、もう一つは「現実逃避」というそのものに他ならないのです。
実際、トップYouTuberの一角をなすゆきりぬさんも、現実逃避をテーマにした動画をアップロードし、多くの再生回数を獲得しています。
ゆきりぬ:現実逃避
現実逃避には、種類があります。
要件としては「没頭して全てを忘れられること」そのほかはありません。
既存のコンテンツであるゲームやアニメ、漫画、映画などの作品に没頭することはもちろんのこと、YouTubeというプラットフォームが与えている時間消費の道は現代人にとって「現実逃避」のマトとなっています。
明確にブランディングされたチャンネルの個性

ここで登場するのが「YouTuber」という概念であり、現代人が選択しやすいエンタメの本質。
料理が好きならクッキングチャンネルを見ればいい、ゲームが好きならゲーム実況のチャンネルを見ればいい、自己啓発が好きならそのようなチャンネルを探せばいい。
明確にブランディングされたその世界観に浸るための選択肢が容易に用意されている現代社会においては、YouTubeというプラットフォームのどのチャンネルに自分の身を置くか、限られた時間を消費するかということそれ自体が考えられる要素の一つになっています。
「3分」から流行り始めた未来の姿形

朝起きてから歯を磨くまでの間のベッドタイム、通勤時間、通学時間の乗り換えまでの間でふと訪れる10分の選択肢。
その中で「3分」というキーワードは実は重要な地位を占めていました。
3分で人生を変えられる、なんとなく余った3分という時間で自分の今後のことを考えられる、自分が直面している大きな課題を乗り越えられる。
そんなわずか「3分」の時間、余暇を過ごす最小単位である3分が、自分の人生を変えていることに気づき始めたのが現代人といっても良いでしょう。
この数分の時間でぴったりとはまったのが「YouTube」というプラットフォームであったのではないでしょうか。
人々の隙間時間をジャックするというその発想が、YouTuberを成功へと導いたのではないでしょうか。
もちろん答えは千差万別、人それぞれですが、今この記事を読んでいる自分自身の想いの中にその答えはあるのではないかと思います。
まとめ:隙間時間に入り込めたエンターテインメントが世界を変えた
簡単に数分間で現実逃避ができるエンターテインメントを手に入れた現代人は、多くの選択肢の中から自分が没頭できることを選んでいます。
今の自分がYouTubeを好きならそれでいい。
YouTubeから得られるものがあるのであれば、現実をより豊かにするコンテンツに自分自身が出会えているのであれ、それでいい。
今一度、自分の人生のあり方と向き合って、YouTuberという成功者と向き合っていくべきではないでしょうか。
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【コラム】YouTuberを目指すことで得られる3つの資質と見えないものを見る「本質」
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
それでは。